【反則金支払わない→逮捕→前科がつく?】交通反則通告制度について

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こんにちは、GTです。

前回の記事「【交通違反でサイン拒否】GTは有罪?無罪?不起訴処分?実例を紹介」で交通違反で捕まり青切符を切られた場合、サイン拒否を貫いていくとどうなるのかを紹介しました。今回はそれとは違った視点で、どのような法的理由で刑事手続きが進んでいくのか、逮捕されるのかされないか、前科が付くのか付かないのかに触れていきます。

その中で交通反則通告制度がなぜ出来て、現在どのような状況になっているのかも併せて紹介します。実際に取締りを受けて青切符を渡されることは普通にあり得ます。そのような状況になっている人、もしくはこれからそうなった時の参考になるかと思います。

結論として前科は付くのか

結論として、前科は付くのでしょうか。実は付きません。

でも逮捕されるケースがありまして、その場合は裁判になるのが普通です。ですから100%付かないとは言い切れず、付く場合もあります。

そして、前科は付いても法律上消えることになっています。

これでは何を言っているのかわかりませんね。具体的に事例を挙げますから見ていきましょう。

ちなみに以下は前回の記事でも紹介した用語の意味です。知っている方は読み飛ばして下さいね。知らない用語はサラッとで構いませんので意味を確認しておきましょう。

青切符:交通違反をしたときに違反が軽いと渡される交通反則告知書のこと。書類自体が青いので青切符。
赤切符:交通違反をしたときに違反が重いと渡されるもので、直接裁判手続きに入ることを知らせる告知書のこと。書類自体が赤いので赤切符。
罰金:罰金刑は裁判で命じられる一定の金額の支払いを命じられる刑罰。すなわちその時に納付するお金のこと。
交通反則通告制度:軽い交通違反についてのみ、期日までに反則金を払えば違法行為について公訴されないないものとする制度。青切符の違反がこれにあたる。
反則金:交通反則通告制度のもと期日までに支払うお金。
刑事手続き:犯罪者を明らかにするとともに犯罪の証拠を集めて犯罪の事実を確定し、さらに裁判で刑罰を定める手続き。
送検:犯罪についての証拠物や説明書類などを警察が検察へ送ること。
調書:捜査をして明らかになったことを裁判で証明するための文書。犯罪者(違反者)のサインがあれば、通常は調書の内容が正しかった証拠になる。
検察官:法律に違反した出来事を調べて裁判を起こす人。証拠の有無や犯罪の性質その他いろいろなことを考えて被疑者(違反者)を起訴するかどうかを決める。
起訴:検察官が被疑者を裁判にかけるために裁判を起こすこと。

語句を確認していただいたところで先に紹介した結論になる理由や制度上の経緯を見てみましょう。

交通反則通告制度が出来た理由

この記事を読んでいる方は、交通違反で捕まった経験がある方が多いのはないでしょうか。そして、違反したときに青切符と共に反則金納付書(振込用紙)が渡されますから、反則金を支払った経験もあると思います。

この制度を交通反則通告制度と言います。

この制度が出来た経緯を説明します。制度ができた理由は、違反者が多くて処理が追い付かなくなってきたからです。

・平成29年の交通違反取締り件数は約648万件

・平成29年の裁判件数は民事・刑事全て合わせて361万件

交通違反は法律違反ですから犯罪です。

そして犯罪かどうかを最終的に決めるのは裁判官なので、本来は648万件全てで裁判を開き、裁判官が有罪か無罪かを判断し判決を下す必要があるものです。そして有罪の判決が出たのであれば、罰金刑を下して国庫に罰金が入ることになります。

現状で日本の裁判官は一人で200件とかそれ以上の件数をかかえて次々と裁判をこなし、判決を下していくことが日常です。全体で年間361万件を裁いていくだけでも大変です。交通違反の取締りが行われたときに、その全てを加えて裁判にして判決を下していくことは出来るのでしょうか。

648万件も追加で処理?無理ですね。

もともと戦後まもないころは今のように誰もが車を運転するような社会ではありませんでした。しかし戦後復興・高度経済成長とともに、日本にモーター社会が訪れます。世の中で車を所有し運転する人が増えたのでした。

当然それとともに交通違反を取り締まる件数が増えてきます。件数の増加とともに、検察官が起訴手続きを踏み裁判官が裁判で対応するのが現実として無理になってきたのです。

そこで交通反則通告制度登場となります。1968年から使われている制度です。

誤解を恐れずに簡単に言えば、交通反則通告制度は違反しても反則金を払ってチャラにする制度ですよ。

軽い違反の場合は交通反則告知書(青切符)が取り締まり警官から渡されます。それにサインをして反則金を納付すれば刑事手続きが進まなくなります。ドライバーに犯罪者として刑罰が科されることを無くすというものです。そのための簡単な流れは以下の通りです。

警察が取り締まる→青切符を交付する→ドライバーがサインをする→反則金を納付する=刑事手続きにのっとった処分をしない

こうすることで道交法違反という犯罪を犯したドライバーは前科が付かなくなりますし、行政側も刑事手続きに則った作業・処分をしなくて済むのです。行政処理がパンクしなくて済む画期的な方法ですね。

平成28年時点での反則金納付率

この制度により、現在刑事手続きに進まないで処理される率はどれくらいなのでしょうか。「公益財団法人 交通事故総合分析センター」のホームページを調べてみました。以下ホームページにあるPDF資料をキャプチャー抜粋したものです。

引用元:公益財団法人交通事故総合分析センターホームページ 「交通統計平成29年版 制度の運用状況」PDF資料P151よりキャプチャー抜粋

一番上にあるのが平成何年かを表すものです。平成28年の所を見てみますと、一番上の3,739,199件というのが青切符・赤切符合わせた違反件数です。その下の6,449,453件というのが青切符を切った件数となります。その率が95.7%ということになっています。更にその一つ下が合計の反則金納付額です。

下から3つ目の98.3%は反則金の納付率を表しています。

98.3%!高っかーい!

下から2番目が納付額の平均値で、一番下の数字が安全対策特別交付金(単位:千)となっています。これは地方公共団体が安全対策に使うお金で、まぁ反則金を元に予算として使うようなものです。ここでは関係ない数字です。

反則金納付率は平成24年から順に98.2%→98.5%→98.5%→97.9%→98.3%と推移しています。実に98%です。27年だけ97.9%になっていますが、それ以外は全て98%を超えています。

つまり、ドライバーが取り締まりを受けて青切符を切られた場合、ほとんどの人が反則金を払っていることになります。数字上ほぼ全員、取り締まりに納得していることになります。

横浜市の合同庁舎近く4丁目交差点での記事「【横浜の取り締まり情報】GTが4丁目交差点でうっかり交通違反orz」でも紹介しましたが、納得がいかない取り締まりは多いと思います。いやむしろノルマが厳しい昨今ですから、警察官も淡々とノルマ達成に向けて取り締まり件数を稼ぐ必要があるのです。ドライバーから見れば納得のいかない取り締まりが数多くあると思います。

しかし納付率98%は高すぎです。この原因はどこにあるのでしょうか。その1つが刑事手続きに進むことを避けたくさせる告知書の文言にあると言えます。

青切符(交通反則告知書)に書かれていること

具体的に書かれている内容を見てみましょう。青切符に書いてある交通反則通告制度に関する説明は以下のとおりです。項目は(1)~(5)まで5つあります。

(1) 交通反則通告制度は、反則者が下記(2)の手続きで反則金相当額を仮納付し、又は下記(3)、(4)の手続きで反則金を納付すれば刑罰が科されなくなる(少年については家庭裁判所の処分も受けなくなる)という制度です

(2) あなたは反則者として告知を受けましたが、次の欄の記載事項に従い表記(7)の反則金相当額を仮納付することができます。仮納付をした場合には、告知を受けた日からおおむね2週間目の日に、警察本部長が公示して通告(次の欄記載の公示通告の場所で表記の告知年月日と告知書番号を氏名にかえて掲示して行います。)を行います。その場合には、その仮納付は反則金の納付とみなされ、表記違反について刑罰が科されなくなります(あなたが少年の場合は家庭裁判所の処分も受けなくなります)。なお、仮納付をした場合には出頭する必要がありません

(3) あなたが仮納付をしなかった場合には警察本部長が反則金の納付を通告します。あなたが出頭の日時、場所を告知されているときは、出頭した際にその通告を行います

郵便で通告書を送付された場合には、通告書の送付費用も併せて納付しなければなりません。

(4) 反則金の納付はあなたの任意です。通告を受けた日の翌日から起算して10日以内に反則金を納付した場合には、表記違反については刑罰が科されなくなり、又は家庭裁判所の処分を受けなくなりますが、この期間内に納付しなかった場合には、刑事訴訟手続き又は少年審判手続きで処理されることになります。

(5) この制度の手続きについて不明の点があれば最寄りの警察署でお尋ねください。

実際の青切符に書いてあるのをそのまま写しました。太字部分も原文のままです。これを私GTが翻訳しますね。

あなたは道路交通法に違反しました。反則金を納付すれば刑罰が科されなくなるけど、そうでなければ法律違反の罪で刑罰を科します。あなたが少年の場合は家庭裁判所の処分を受けてもらいますね。

でも、もし反則金を納めればあなたには刑罰が科されなくなります。あなたが少年の場合は家庭裁判所の処分を受けなくなりますよ。

反則金払うか払わないかはあなたの自由ですが、どうしますか?

ちなみに払わなかったら刑事訴訟手続きで処理されますからね。少年の場合は少年審判手続きで処理されますからね。

どうですか、これ読んで。

怖いなー。

反則金払わなかったら処理されてしまうのかー。

処理されたらやだなー

あー、どうしよう。

払おう。

こう思うのが普通でしょう。そのため反則金を払ってお終わりにする人が約98%となるのです。

でも、私としては経験上この先を知っているので怖いとは思いません。まぁ面倒くさいとは思いますけどね。なぜなのかを具体的に見てみましょう。

あなたは道路交通法に違反しました。反則金を納付すれば刑罰が科されなくなるけど、そうでなければ法律違反の罪で刑罰を科します。あなたが少年の場合は家庭裁判所の処分を受けてもらいますね。

→いやいや刑罰を科されるのはあくまで裁判で裁判官が有罪判決下したときだけだから。法律違反と言ってもそれはあくまで警官がそう言ってるだけで、最終的に違反かどうかを決めるのは裁判官だ。刑罰を科されることは全然確定してないね。むしろ99.9%の確率で不起訴処分になって刑罰は科されないし。

具体的にはルールで以下のように決まっています。

日本国憲法 第31条

何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

刑法 第204条

人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

このように法定手続きが必要であることが憲法で定められています。そして裁判で有罪判決が出たのてあれば、刑法を見ていただいたとおり、法律で決められている通りの刑罰が科されることはあります。軽い道交法違反(青切符の違反)の場合の刑罰では罰金刑がせいぜいです。しかも反則金とほぼ同額です。もちろん赤切符とかになれば重い違反ですから別ですけどね。

そこまで考えると、青切符に書かれているこの表現は半分ウソです。刑罰が科されるとは決まってないのですから。

でも、もし反則金を納めればあなたには刑罰が科されなくなります。あなたが少年の場合は家庭裁判所の処分を受けなくなりますよ。

→これはその通り。そういう制度だし、実際反則金を払うというのは罰金の額と同じですから。ただし、もし反則金を納めなくても実際には99.9%刑罰が科されないのもまた事実です。だからこれも半分ウソですね。

反則金払うか払わないかはあなたの自由ですが、どうしますか?

→これは当然のことです。もし自由でなく支払いが強制だととんでもないことになります。

支払いをするということはお金を失うということです。固い言い方をすれば財産権を侵害されることになり、これは人権侵害です。

これを警官のみの判断で確定させるのはいけません。特に昨今は警官に課せられたノルマが厳しいですから、形式的な違反だけで取り締まるケースが多いわけです。

さすがに違反が事実でドライバー自身もその通りと認めているのなら、取り締まり件数の多さと行政の処理能力の関係からドライバーの意思で反則金を払ってお終いにするのは有りですがね。

つまり、サイン拒否や反則金を支払わないことが任意(自由)でないと、きちんと正式裁判で無罪判決を勝ち取る可能性がゼロになるのです。これはもう、法定手続きを定めた憲法に違反してますね。サイン拒否や支払いは任意なのはこのためです。

ちなみに払わなかったら刑事訴訟手続きで処理されますからね。少年の場合は少年審判手続きで処理されますからね

→これはですねぇ、当然!って感じですね。不当な取り締まりにはNOを主張して正式裁判で無罪を勝ち取りに行こうってなわけですよ、こっちは。だから刑事手続きを是非進めてくれよってことです。そしていざ裁判になれば裁判官に、いかに警察の取締りが意味のないものなのかを伝えたいわけです。だから刑事手続きを進めていくことこそこっちの希望するところです。

私ならこのように捉えます。そして、前回の記事で紹介したように、不起訴処分率は99.9%です。この事実は大きいです!

さぁ、これを持ってしてみなさんはどうしますか?サインするもしないも反則金を納めるも納めないも本当に任意です。

反則金を支払わず出頭に応じないとどうなるか

さて、ここで少し話を戻しましょう。98%の割合で青切符を切られると反則金が納付されるわけですが、中には反則金を納付しない人が少ない率ながらいるわけです。その人は逮捕されたりしないのでしょうか。逮捕されて裁判にかけられて、有罪判決が下されて前科が付くことはないのでしょうか。

普通、以下のように考えるのではないでしょうか。

反則金を支払わないということは反省していないということだ。やましいことが無ければ出頭して警察なり検察に状況説明をして、自分が悪いことをしていないと主張すればいいのに。単にゴネているだけの悪い奴だ。

こんな見方が出来ますね。実際散々検察からの出頭要請を無視して逮捕された人が居ます。以下の記事をご覧ください。

『警視庁は3日、速度超過や信号無視などの交通違反で摘発されたにもかかわらず出頭要請に応じなかったなどとして、11月中に20~70代の男女計385人を道路交通法違反の疑いで逮捕したと発表した。そのうち58人は同種事案での逮捕が2回目以上だったという。

交通執行課によると、11月は計531人を逮捕した6月に続き、長期間出頭しない違反者の捜査強化月間。逮捕者は前年11月より72人多かった。逮捕は都内の男性会社員(39)が5回目と最多で、調べに「仕事が忙しくて行けなかった」と話しているという。』

引用元:朝日DIGITAL 交通違反の出頭応じなかった疑い、385人逮捕 警視庁

このように、逮捕される可能性があります。私も明日あたりいきなり警察に逮捕されるかもしれませんねぇ~。こええ…なんか怖くなってきた…。

みなさんもお気を付けください…っておい!話が違うやんけー!

安心してください。逮捕される場合とは、あくまで反則金を支払わず出頭要請にもずっと応じなかった人です。これぞまさにゴネている人です。ごね得を許さないために警察が動くこともあるという例です。普通は逮捕されません。

そもそも警察の取り締まりに納得してない人は首尾一貫してサイン拒否・反則金納付無しです。そして裁判が開かれる前に検察官が起訴するかどうかを決めます。その段階で検察が連絡してきたら、そこはさすがに応じれば良いのです。

送検される前に警察からドライバーに電話がかかってくることでしょう。実況検分に来て下さいと言われることでしょう。

実況検分については任意ですから断っても構いません。検察から出頭要請が来たらその時は応じますと伝えておいてもいいです。実際に私も最初の一回は立ち会いましたが、その後の2回は断っています。

でもね、さすがに検察からの出頭要請も全部無視したら、検察も起訴して懲らしめようかと思いますよ。略式裁判は有罪が確定しているものですし、正式裁判もほぼ100%有罪判決が出ます。つまり前科が付きます。

検察だって起訴する前に違反者から話を聞こうってことで出頭要請しているのですから、その段階では応じましょう。そしてきっちり取締りの不当性を主張して下さい。そして正式裁判を希望して下さい。

ここまでやれば、それはゴネているとは言えません。正々堂々と主張しているのです。そんな人を逮捕なんて出来ませんよ。

逮捕があり得ない根拠

法的に見て逮捕されないと言える根拠があります。その法律とは犯罪捜査規範第219条です。これは日本の警察が守るべきことを定めた国家公安委員会規則です。警察のやり過ぎを防ぐ意味がある国家公安委員会は警察の上部組織ですから、警察はこの定めに従うことになります。

犯罪捜査規範 第210条

交通法令違反事件の捜査を行うに当たつては、事案の特性にかんがみ、犯罪事実を現認した場合であつても、逃亡その他の特別の事情がある場合のほか、被疑者の逮捕を行わないようにしなければならない

このように道交法違反をしたドライバーに対して逮捕することはいけないことになっています。

青切符の違反について、サイン拒否と反則金を納付しないことは制度上認められた行動ですから、当然「逃亡その他の特別の事情がある場合」にも当てはまりません。やっぱり逮捕は警察の違法行為です。あり得ません。

もう1つ原則を紹介しましょう。それは警察比例の原則です。これについてウィキペディアから引用します。

『警察比例の原則とは(けいさつひれいのげんそく)とは、警察権の発動に際し、目的達成のためにいくつかの手段が考えられる場合にも、目的達成の障害の程度と比例する限度においてのみ行使することが妥当である、という原則を言う。実質的には、複数の手段がある場合は、対象(国民)にとって最も穏和で、侵害的でない手段を選択しなければならない、という原則が導かれると考えられる。

歴史的に警察権は過度の行使に傾きやすく、人権保障の観点から意識されるようになった。目的達成という効果を認めるものの、その効果を達成するための手段としての警察権の行使による弊害を最小限に食い止めようとするものである。警察権を合理的に制限するべく判例・学説によって観念されてきた諸原則の1つ。』

引用元:ウィキペディア 警察比例の原則

このような原則がありますので、警察官職務執行法の第1条でも警察権の行使について濫用を防ぐように定められています。

警察官職務執行法 第1条

この法律は、警察官が警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)に規定する個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行するために、必要な手段を定めることを目的とする。

2この法律に規定する手段は、前項の目的のため必要な最小の限度において用いるべきものであつて、いやしくもその濫用にわたるようなことがあつてはならない

このようになっています。つまり、軽い違反で逮捕などという拘束をしてはいけないのです。

別の言い方をすれば道交法違反という軽い罪を犯したことと比べて、逮捕するということは日本国憲法で認められている「身体の自由」が侵されることであり、全くもってバランスが取れていないのです。

よっぽど悪質なことをしない限り逮捕はあり得ませんから安心して下さい。

検察に来たときにするべきこと・してはいけないこと

前提としては引き続き警察の交通取り締まりが不当なもので、サイン拒否・反則金支払いをしないとしています。そして検察に呼ばれたので出頭したとしましょう。

このときにするべきことは警察取締りの不当性の主張です。もしくはドライバーの運転について、正当性の主張です。そして断固正式裁判で争うつもりだとも言いましょう。これにより検察はドライバーの本気度を確認出来たことになり、ゴネているだけのドライバーとは思わなくなります。

注意すべきは決してやってはいけないことです。それは、略式裁判には応じてしまうことです。

略式は絶対ダメ―!

略式裁判とは結果が有罪になる裁判でもあります。

道交法違反であり本人も悪かったことを認めていて、有罪判決をわざわざ時間をかけて弁護士も検察官も同席させてまでして出す必要のないことがあります。その時は書類的な形式を整えて略式裁判で裁判官がハンコをおして判決を下せばいいのです。時間やお金や労力を有効に使っていていいですよね。

ただし、あくまで有罪という結論を出して罰金を払わせるには憲法31条で決められているように裁判で判決が下されるという手続きが必要です。だから略式裁判があるのです。

これに応じてしまえばあとは自動的に有罪判決で罰金支払い命令が出ます。これを覆すには控訴して正式裁判を開く必要があります。第二審に進むということです。

さすがにそこまでお金と時間と労力をかけることは望まないでしょう。二審も有罪判決になりますし。ドMであるとか、どうしてもそうする必要があるならともかく、そんな人はまずいないですよね。そこまでするなら一審(最初の裁判)から正式裁判を選ぶものです。

とうことで正式裁判に進むことに…いえ違います。不起訴処分という結果が出ておしまいです。こうなる確率は99.9%であることは前回の記事で紹介したとおりです。

道交法違反についての正式裁判は刑事裁判になりますから、正式裁判になった場合は有罪率が99%あります。そんなタイトルの弁護士ドラマがありますけど、率としては限りなく100%に近いです。ですから、不起訴処分になることが実質的なドライバーの勝利です。

ちなみに私は過去3回サイン拒否と反則金納付無しをしています。全ての件で1年以上~10年以上が経過していますが、検察からの出頭要請は一度も受けておりません。ですから未だ検察官に私の言いたいことを主張する機会はありませんことを付け足しておきます。

実際に裁判になったとしたらどうなるか

さて、不起訴処分率が99.9%と何回も言っていますが、100%ではありません。何かのタイミングや行動の結果裁判が開かれるとどうなるでしょうか。

実は刑事事件の裁判では先に触れた通りほぼ100%有罪です。罰金刑となりますし、前科が付きます。しかし青切符違反での罰金は反則金と同じくらいになりますから、金額的にものすごいことにはなりません。

有罪判決が出たとして前科が付きますが。多くの方には生活をする上で支障はないでしょう。

刑法 第34条第2項
禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。

このように刑法で決められています。5年で効力を失うということで、5年で前科が無かったことになるのです。警察のパソコンデータの中には「犯罪履歴」として記録は残っているし、何か照合が必要な時に使うのでしょうけど。

実際に転職した際に、法令違反の経験があるか確認をする書類がありました。強盗・殺人などの犯罪歴があるかを会社側が確かめるものです。前科がついているのに記入しなかった場合は履歴詐称となり、後で発覚すると正当な解雇事由になり得るものです。

私は強盗・殺人などの罪を犯したことはありません。道交法違反で赤切符を切られたこともありませんので、罰金刑を受けたこともありません。つまり前科がついたことは無いということです。

ですが試しに聞いてみました。

GT:道交法違反があるのですがそれは・・・?

面接官:いえいえ、書かなくていいです。

一瞬で否定されたことがあります。これは面接官が単なる青切符のことと勘違いした可能性が大いにあります。ともあれ多くの担当官の持っている感覚だと思います。

そして、実際に罰金刑が下されると5年の間は前科がついていますが、それが過ぎれば刑の言い渡しが効力を失います。つまり、就職などの場で効力を失った過去のことを申告する義務原則無くなるということです。

そもそも普通に社会で生活する上で、これが問題になることはほぼ無いのではないでしょうか。でも罰金刑から5年未満であり、バス会社の運転手として就職したいなど、一部職業的にはあり得るでしょう。そういう方はお気を付けください。

では…

カンカーン!結論のお時間です。

結論

結論は以下の通りです。既に見てきたとおり、前科がついたりすることは可能がゼロではありませんが、実際それはまず無いです。

結論

  • 反則金を支払うかどうかはドライバーの任意
  • 「反則金を支払わない=前科が付くということではない
  • 軽い交通違反であり、呼び出し等を無視しつづけなければ前科となることは無い
  • 前科になることが無いだけでなく、不起訴処分になることがほとんど
  • 悪質であれば逮捕→起訴→有罪判決=前科が付くこのケースがあり得る
  • 前科が付いても一定の条件を満たして5年経てば消える

このようになります。どうでしょう、みなさんに安心していただけたのではないでしょうか。

交通違反をしたことが悪ければ素直に反省して反則金を支払うべきです。しかし、逆に警察に正義が無い場合もあります。ノルマ達成のための取り締まりなどいりません。これは悪ですね。

そうであれば、サイン拒否・反則金の支払い無しで刑事手続きに進むという選択肢があるのです。正義は勝つ!正確には、不起訴処分をゲットできるから、正義は負けない!こんなところでしょうか。

今回も最後まで読んでいただいてありがとうございました。ではまた!

赤切符のケースがどうなるかについては以下の記事をご参考下さい。
【不当な取締りで赤切符】最新4年の不起訴処分率は意外な「高」結果
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