【赤切符の違反を否認】最新4年の不起訴率は意外な「高」結果

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赤切符を切られるとは最低だな、悪質野郎!と思わなくもないGTです。こんにちは。

実際に安全運転をしていて悪いことはしていないのに、警察の取り締まりがヒドイ場合もあるわけです。運悪く形式的な違反状態で、そこを捕まって赤切符を切られてしまうこともあるのです。

だから、赤切符(重大な違反)を切られたからといって、全て悪いとは思いません。もちろん街中で時速100㎞以上出すなんていう危険かつ悪質な運転はいけませんけどね。そんなことするやつは運転してはいけません。でも、逆に悪くないのに赤切符で処分されるのは許せません。

ということで今回の記事では、不当な取締りで赤切符を切られてしまった、もしくは状況からたまたま違反状態になってしまったため赤切符を切られてしまった。そのような場合にどれくらいの率で不起訴処分が有り得るのかを紹介します。

青切符の場合はサイン拒否しつつ否認を貫けばほぼ100%不起訴処分ですけどね。今回は赤切符の場合の不起訴処分率についてです。

赤切符をサイン拒否→否認を続けて不起訴処分はあるのか

結論から言いますと、十分にあり得ます。不起訴処分になる確率は実に80%以上と言っていいのです。

赤切符は飲酒運転など重い違反をしたときに切られるものです。しかし実際には悪質性が無い場合、違法性が無い場合もあり得ます。

私が紹介する80%以上というのはそのような悪質ではなかったり違法性が無いケースについてです。

では具体的なケースを見ながら説明していきます。前半は読み物のようになっていますので、GTをバカなやつだと思って下さいな。後半は実際の資料から赤切符否認事件でどれくらいの率で不起訴処分になるのかを見ていきます。

(飛ばして読みたい方は上にある目次をご覧ください。クリックすると目的の箇所へ自動スクロールします。)

スピード違反時速30㎞オーバー+通行区分違反

実は私、時速30キロオーバーで通行区分違反をしながら走ったことあります。はい、スピード違反30キロオーバーしたら赤切符ですね。免停です。おまけに通行区分違反もして危ないですね。GTはサイテーなやつです。

そんなサイテーな走り方がどのように行われたのか、なぜ行われたのかをまず紹介しましょう。以下の写真をご覧ください。

写真のように私は車を走らせました(写真はイメージです)。爆走でしたよー!

走った所は標識による速度制限がありませんので、一般道の最高速度である時速60㎞が制限でした。そこを時速90㎞くらいで走りましたね。

右側車線を思いっきり加速しながらウインカーなんぞ出さずに右折レーンにいきなり入りました。その後右折せず交差点を突っ切って走り抜けたのです。そしてまた車線に戻っていきました!

どう思います?

GTってふざけたヤツだ、オマエ公道走るな!!

そんな声が聞こえてくるようです。速度は制限を30キロはオーバーしていますし、通行区分違反もありますね。速度が30キロを超えていることは重い違反ですから赤切符に該当します。

この時は警察が近くに居なかったようで、取締りを受けることはありませんでした。

そんな運転ですが、実はこれ危険回避で取った行動でした。危険を避けるためですから、形式的には道交法違反ですが、本質的には違反ではありません。

経緯を説明します

なぜそのような行動になったのか状況を説明しますね。

その道は片側2車線の幹線道路でした。私はゆっくり走るときは2車線のうち左側のレーンを走行することが多いです。その時も助手席に人を乗せていまして、危険な走りをするつもりなどありませんでした。

前に長い車両のトレーラーが車を何台か積載して走っていました。重い車両でスピードもあまり出ておらず、右のレーンに移動してそのトレーラーを抜こうとしました。そしてトレーラーの荷台の真横に来たとき、トレーラーが一瞬右側に車体をずらしました。

ん?真横に俺が居るの見えてないのか?

とっさにアクセルをゆるめましたが、トレーラーがこっちに気づいているのかそれ以上寄せてきませんでした。

あ、こっち見えてるな。先に行かせてもらおう。

そう思ってアクセルを踏み込んだその瞬間、トレーラーが本格的に右に車体を寄せ、車線変更しようとしてきました。

うお!きた!ぎゅぎゅぎゅっ!

ブレーキを強めにかけてトレーラーを先に行かせました。その瞬間、相手もこっちが居ることに気づいたのでしょう。右側に車線変更をすることなく、左側車線を走りつづけました。

あっぶねーなー。

そう思いながらも右車線を走っていました。トレーラーは私の左側前方をゆっくり走っています。右車線に移りたいんだったら移ればいいのに…。こっちは遅いトレーラーより先に行きたいのですが、しばしトレーラーの様子見です。

トレーラーを抜かずに一緒にゆっくり走ってみたのですが、その後トレーラーが右車線に移る気配を見せませんでした。移りたいならウインカー出せばこっちはそこを無理に抜きにかかったりはしませんがね。

危ない車とは早めにおさらば

トレーラーが遅いのもあり、再び抜くことにしました。そして加速、トレーラーの真横に来ました。特にトレーラーに動きはありません。その後も加速、トレーラーの先頭の運転席がすぐ左前に見えてきました。

よし、抜いて引き離して危ないのとはおさらばしておこう。そう思った瞬間、いきなりトレーラーが右に寄せてきました。

うええぇぇ!! ヤバッ!!

はい、これマジでヤバかったです。トレーラーの車体がかなり長かったのですが、そのうち前3分の1くらいまで来ちゃいました。ここでブレーキ踏んでもトレーラーの後ろに下がるまでに横からぶつけられるかもしれません。

はっ☆スペース発見!

アクセルオン!3速全開!ブオオオォォォー!!!

私の車はターボ車で軽いので加速が鋭いです。思いっきり加速しました。相手の運転席がこちらに寄りながらすぐ目の前に迫ってきます。

ということですが、そこに交差点があり、右折レーンがあったので加速しながら右折レーンに入りました。幸いなことに右折レーンには車が居ないのも見えていたので、そこに向かって突っ込んだのです。信号も青だったので止まる必要無し!

アクセル全開で加速しているので、時速は90km以上は出たことでしょう。右折レーンをそのまま突っ切ってトレーラーを抜き、右車線に入ったトレーラーの前に出ました。

ふぅぅ~、セーフ!

右折レーンよ、いい所で現れたな、ナイスアシスト!!右折レーンがなかったら本当にぶつかってたかもしれませんが、事なきを得ました。

まだ終わらなかった・・・

そうしたらですよ、これで終わらなかったんですよ。後ろのトレーラーがブッブーって鳴らしてきたのです。どうやら怒っているらしいです。

は?バッカじゃないの。横の車線に俺の車が来てるの見落としてさくせに。ろくに安全確認もできないくせに相手のせいにしてんじゃねぇ!

無視無視・・・

ブッブー!

無視無視無視・・・

こっちは相手にするつもり無いから。

ブッブー!ブッブー!

うっせーな!相手にするつもりはねぇってんだよ、この野郎!

いや、やっぱり無視無視無視・・・

そう思って車線を左側に変えて、後ろのトレーラーを先に行かせようとしました。ちょうど相手がこちらを抜きに近づいてきたのでちょっとだけ見てみました。鬼の形相のドライバーがそこに・・・

オイ!おま△◎×…!!

何か言ってますね。でも無視無視・・・。先に行かせるのやーめた!こっちが先に行こう。

前の道が空いていたので、再びブオオォォォー!加速してトレーラーを引き離すGTであった。

いやいや、変なの居るよね。危ないことしておいて更に因縁付けるやつ。まぁ、事なきを得たからいいか。

そんな風に思いつつ車を走らせていました。そして信号が赤になったので停車しました。

ブッブー!

うぉ!また来た!

トレーラーが後ろに止まりました。バタン!運転手降りてきました。

あちゃー、降りてきちゃった。なんか初心者の頃の悪夢が蘇る・・・あんときゃぁパンチパーマのおっちゃんが出てきて怖かったなぁ、あんときゃぁ必死で逃げて追われて事故りそうになったけど逃げ切れたんだよなぁ。

今は信号待ちで前が塞がってるから逃げられんしな・・・ふうむ・・・。

運転手が怒りの形相でこっちに歩いてくるのが見えました。ドアミラー越しによく見えてましたよ。

オイ!ガツン!

あー、来た来た・・・

うお!?

モンスターばりに怒ってる!!

グーで私の車の窓を叩いてきました。私は電動ウィンドウを下げました。ウイーン・・・

私は両手を出して、それぞれの手が両者の車両であることを身振りで示しつつ強く言い出しました。

GT:あなたの勘違いだから!(左手の)これあなたね!(右手の)こっちが右車線から抜こうとしたらあなたが寄せてきたんだよ。だからこっちは危険回避でよけたんだよ!勘違いだから!!

ウィーン・・・(窓を閉める音)

呆気に取られて言葉を失っている相手運転手・・・

信号は青で前の車が動き出しました。私もゆっくり走りだしました。まだ運転手は横に棒のように立ったままでした。

ブオオオオ・・・ サイナラー!!

こうして事なきを得たのでした。ウン、相手をバカにしたりなじることなく、相手が怒っていることこそ間違いだと強く主張出来たのが良かったです。

多分相手の運転手は、私が危険な追い抜きをしたことに怒っていたのでしょう。向こうから見れば、私がいきなり右折レーンを使って無茶な抜き方をしてきたのでしょうね。

ちげーし 危ないのはアナタだよ!

私に間違いを指摘されて状況整理できなくなったのでしょうね。その場に立ち尽くす相手運転手をそのままに、無事に去ることが出来ました。その後は特に追いかけてくることもなかったです。

以上GTの実話紹介でした!

このように、危険回避で30キロオーバーはあり得ますね。普通は無いですけどね。そのときたまたま警察に速度計測されてたら赤切符で捕まっていたことでしょう。

そして危険回避の状況を警官が見ていなければ、私が状況説明してもただの「いい訳ヤロー」にしか見えず相手にされなかったでしょう。

福島さんの赤切符の例

他にも実際に知り合いの福島さん(仮名)が速度超過で赤切符を切られた例があります。

その時は1000ccのバイクに乗っていて、やはり危険回避で一時的に速度を上げたそうです。リッターのバイクだとトルクウェイトレシオがかなり大きくなりますから、一瞬でスピード上がっちゃいますね。そんなときに運悪く速度計測されて30キロオーバーで捕まってしまったのでした。

さて、これで免停・罰金刑ってどう思いますか。危険回避しなかったらバイクの場合死ぬかもしれませんね。もちろん私の場合も車が大破して大けがしていたケースかもしれません。安全のための行動ですから、それに対して赤切符なんて切られたらたまったものではありません。

私の場合は警察に捕まらなかったから良かったですが、福島さんの場合は捕まってしまいました。福島さんは危険回避のためだったと取締り警官に状況説明したのですが、取り合ってもらえなかったそうです。そして赤切符にサインしてしまったのでした。その後は刑事手続きにのっとって略式起訴→罰金刑となったのでした。行政処分としては免停でした。

赤切符による刑事手続きの説明

ここで赤切符がどのようなものか、どのような刑事手続きになるのかを説明しておきます。

【交通違反でサイン拒否】GTは有罪?無罪?不起訴処分?実例を紹介」では青切符を切られてサイン拒否をしたらどうなったのか。また不起訴処分率がどの程度あるのかを紹介しています。
【反則金支払わない→逮捕→前科がつく?】交通反則通告制度について」では青切符で反則金を支払わないとどうなるのかについて、交通反則通告制度の内容と併せて紹介しています。ご参考下さい。

赤切符を切られるということは重い違反をしたということです。その場合は青切符のように反則金を払えばチャラになるということにはなりません。青切符は反則金を払えば刑事手続きに進まなくて済むのですが、赤切符の違反は重大ですから、全て刑事手続きにのっとって処理することになっているのです。

この場合は警察で違反の取締まり→赤切符を切る→検察に送る(送検)→検察官が起訴→裁判で罰金刑を出す。この流れになります(検察官が起訴しなければ不起訴処分で終了です)。

悪質な場合は懲役刑になる場合もありますが、人をひき殺したとかではなく、単なる30キロの速度オーバー程度だけなら罰金刑になるのが通常です。

多くの場合は検察に呼ばれた段階で略式裁判を勧められます。そのうち多くの方はそれに応じて罰金刑となります。そして罰金を払うわけです。

赤切符でサイン拒否するとどうなるのか

「赤切符を切られる=罰金以上の有罪確定」ではありません。警察の取締りだけで刑罰が確定するというのは別記事でも触れた通り憲法違反・法律違反となります。ですから、例えば飲酒運転していて赤切符が切られドライバーが深く反省している場合でも、きちんと裁判で判決を出し刑罰を下さないといけないのです。

では、私や福島さんの例のように危険回避のため形式的に道交法違反となった場合も刑罰を受けなければいけないのでしょうか。それは違いますね。

例えば子供が飛び出してきたのでそれを避けるために反対車線に出ることは仕方の無いことです。センターオーバーは道交法違反ですが、安全のためであり全く悪くありません。違法性が無いのです。

そんなことを警察は一切気にせず切符を切ってくるのが最近の通例でしょう。そんな場合はどうするかですが、サイン拒否・正式裁判上等での刑事手続き進行でしょう。なぜかといえば、不起訴処分になる確率が80%以上あるからです。さすがに赤切符は裁判になれば前科も付きますし罰金額も大きく、ダメージが大きいです。それは避けたいですね。

ではどうすべきでしょうか。それは以下の通りです。

  • 取締り現場では否認する。サインもしない。
  • 検察の出頭には応じる。正当性を主張する。略式裁判は拒否する。
  • 正式裁判の覚悟をしておく。

→そうすれば80%以上の確率で不起訴処分という結果を勝ち取れる(ただし、不起訴処分になるか確実ではない。青切符は99%以上の確率と言えるのですけど)。

不起訴処分になれば課される罰金刑がなくなります。行政処分(点数加算)は原則受けることになりますが(こちらは刑事処分と別物として不起訴でも取り消さないのが普通)前科が付かなくなりますし、高額の罰金を支払わなくて済むことになります。

もともと安全運転をしていたのであれば、行政処分が警察の判断だけで行われるわけで、不服は残りますね。でも刑事手続きについては不起訴処分が実質的に勝ちを意味しますから、不起訴という結果を得ることは大きいと言えます。

ここで言う80%以上という根拠は以下にあります。

統計から見る赤切符否認事件の不起訴処分率

実際に統計を調べてそれを基に推定値を算出しました。以下の表の一番右の数字をご覧下さい。

交通違反で取り締まりを受けて赤切符を切られた場合、違反を認めない場合の不起訴率が平成28年で実に82.6%です(82.6%の左にある赤切符を否認した数4万5353件に対してその左の赤切符否認で不起訴となった数3万7454件の割合です)。

みなさんはこの数字をどう思いましたか。結構高い確率だと思ったのではないでしょうか。私はせいぜい20%とか30%程度だと思っていましたのでこの高さに驚きました。

だって赤切符ですよ。赤切符は重い違反をしたときに渡される告知書です。重い違反なのに反則金を払ったらチャラにできるなんてルートは用意されておりません。確実に刑事手続きにのっとって処分するか決まるものです。

ですからそんな違反をするドライバーに対して、略式裁判に応じなければ正式裁判にバンバンかけていくイメージでした。バンバン起訴できないほど検察官も裁判官も忙しいということなのでしょうかね。

不起訴処分率の計算方法を紹介

不起訴処分率は以下のやり方で出しました。平成28年について順を追っていきます。

(これについては細かい説明となりますので、読み飛ばしていただいて構いません。)

引用元:公益財団法人交通事故総合分析センターホームページ 「交通統計平成29年版 制度の運用状況」PDF資料P151よりキャプチャー抜粋

道交法違反についての統計です。上から総違反件数・青切符違反の件数・青切符の割合・全反則金額・反則金納付率・平均反則金額・交通安全対策特別交付金額を表しています。

まずはこの表をもとに、平成28年の青切符件数・赤切符件数・青切符で反則金を支払わず刑事手続きに進む件数・刑事手続き青切符数と赤切符数の割合を出しました。それをまとめると以下の通りになります。

左から、青切符のうち刑事手続きに進んだ数・赤切符の数・青切符手続きと赤切符合計数です。つまり合計数は、青切符と赤切符を合わせて刑事手続きに進んだ数になります。合計37万2618件が検察へ送検されていることになります。

そして右側の率は、刑事手続きに進んだ数のうち青切符と赤切符の割合がどうなっているのかを表しています。7割くらいが赤切符になっています。より正確には28.36%が青切符(で否認)・71.64%が赤切符(否認も是認も両方含む)です。

刑事手続きに進んだケースを見ると、赤切符が大半を占めているのですね。

ちなみに他の年は以下の通りです。傾向として赤切符が大半を占めるのは変わりません。


次に検察統計を見てみました。

引用元:法務省【検察統計統計表】検察庁別 道路交通法等違反被疑事件の受理,既済及び未済の人員のエクセルファイルよりキャプチャー抜粋

この資料を使って、先の平成28年「青切符率28.36%・赤切符率71.64%」と併せて以下のように数値計算をしました。

以下、上段左側から項目の説明です。

処理総数:検察で処理した全部の数。警察から送検された数の37万2618件より明らかに多いのが不明。警察から送検するまでの期間がかかっている場合などあり、後から前年の分が送検されていることなどあるだろう。そして統計に載せる部分でズレてくるのかもしれない。

他送致など:処理する検察と違反者の居住地が違うため他の地域への検察へ送致したり、少年の場合は家庭裁判所へ送致することになる。中止を含めたそれらの合計。

実処理数:処理総数から他送致などを引いたもの。つまり30万2272件が起訴(正式裁判と略式裁判)もしくは不起訴のどちらかに振り分けられる。

合計:正式裁判と略式裁判の合計。つまり実処理数のうち18万1838件が起訴されたということになる。起訴率は約60.2%。略式裁判は有罪判決がすぐに出るので、赤切符で違反の事実を認めている人(是認している人)はこの裁判を受ける。違反を認めず略式裁判に応じないで起訴されると正式裁判となる。起訴されなければ不起訴処分となり罰金刑が科されることはない。

正式裁判:合計18万1838件の裁判のうち略式裁判を除いたもの。正式裁判では裁判官と検察官と被疑者(切符を切られたドライバー)が裁判をする部屋に集まって時間をかけて裁判を行う。

略式裁判:合計18万1838件の裁判のうち正式裁判を除いたもの。時間や労力節約のために書類を見て裁判官が効率的に有罪判決を下すもの(無罪判決は出ない)。無罪が出ない故に、切符を切られたドライバーは略式裁判を拒否することが出来る。略式裁判を受け入れなければ検察官は正式裁判にかけるか不起訴処分にするかを決める。

図を再掲します。

以下、下段左側から項目の説明です。

不起訴:起訴猶予・嫌疑不十分などあるが、全て合計して不起訴になった数。実処理数のうち12万434件が不起訴処分になっている。不起訴率は約39.8%。

青切符数:実処理数のうち青切符で刑事手続きに進んだ数の推定値。合計37万2618件が送検されているはずが処理総数や実処理数と合わないので、実処理数のうち青切符率28.36%を当てはめて推定値を出した。実際は小数第3位までの割合で計算。

赤切符数:実処理数のうち赤切符の数の推定値。合計37万2618件が送検されているはずが処理総数や実処理数などと合わないので、実処理数のうち赤切符率71.64%を当てはめて推定値を出した。実際は小数第3位までの割合で計算。

赤切符不起訴:不起訴数から青切符数を引いたもの。これは赤切符の人で不起訴を勝ち取った数になる。赤切符の不起訴処分数が少なくなるよう厳しく見積もるために、(青切符が不起訴処分率ほぼ100%という現実も踏まえ)青切符の人が全員不起訴処分を勝ち取ったとした。

赤切符否認:赤切符数から略式裁判数を引いたもので、実質的に赤切符で否認している人の数。赤切符は全員刑事手続きに進むことになっているが、そのうち違反を認めた人は全員略式裁判に応じたものとして扱った。違反を認めているのに正式裁判をするのは、結果が有罪になるのは変わらないのに時間もかかり意味が無いからだ。赤切符で否認をしている人は略式裁判に応じないとして、それを除いた。

否認不起訴率:赤切符で否認したときの推測不起訴率。赤切符不起訴数を赤切符否認数全体で割って出した。

そうすると以下の数値にまとめることが出来ます。再掲です。

このようにして、赤切符を受けた人のうち否認数を4万5353件、そのうち不起訴処分になった数を3万7454件と推定値で出しました。ということは

37454÷45353=0.82583291…(約82.6%)

およそ82.6%が赤切符を受けて否認した人の不起訴処分率となるのです。

他の年も赤切符の不起訴処分率を見てみる

同様にして平成26年から平成29年までの年ごとの不起訴処分率を出してみました。

もとの資料(交通統計平成29年版)のうち、平成29年だけ青切符の反則金納付率をまだ発表していませんでした。そのため、前年の平成28年の反則金納付率を当てはめました。その率に従って青切符否認数と赤切符数の割合を出し、数字処理をしました。

そして出てきた数値(推定値)が以下のものになります。(%が出ているものは小数第2位を四捨五入してあります。)

全体の不起訴率:赤切符を受けた人全体(推定値)のうち不起訴処分になった率を表したもの。赤切符は重大な違反なため、不起訴率は低い。特に平成27年が10.5%と例年より突出して低い。

否認時の不起訴率:これが大切な数字で、赤切符を受けて否認した場合の不起訴率。突出して低い平成27年を除けばおよそ82%から84%の率で不起訴となっている。

赤切符否認数:赤切符数(推定値)から、違反を是認した数と考えられる略式裁判数を引いたもの。*違反を是認=違反を認める

正式裁判:略式裁判に応じなくて起訴されると正式裁判となるが、その数。

いかがでしょうか。赤切符否認時の不起訴率は84.4%→73.9%→82.6%→82.1%と平成26年からの4年でこのように推移しています。

ちなみに平成27年って赤切符否認数が少ないですよね。毎年の正式裁判数が7700件から7900件くらいで安定して推移していることを考えると…

この年は起訴率高くしてもOK!

てゆーか正式裁判件数と有罪判決件数を例年通り確保しないとダメダメ!

じゃないと上司に怒られちゃう!

こんな大人の事情があるのでしょう。まぁ、あくまで推測ですがね。

それは置いておいて…これが2019年9月時点の最新4年分の赤切符否認で不起訴処分になる率です。

そして気になっている方が居ると思います。それは、赤切符で否認する人の中に悪質なケースがどれくらい含まれるのか、対して悪質でないケース(危険回避などのやむを得ないケース)がどれだけ含まれるのかです。

残念ながらそこまではわかりません。それは実際に起訴するかどうかを決める検察官にしても主観的な判断になるものだからです。

危険回避だったとウソをついている悪質ドライバーがいることでしょう。警察の取締りが不当だと何でもかんでもクレームを言う人も含まれるでしょう。そしてどの人が悪質なのかはハッキリとわかるものではありません。

ただ…(これは私の完全な主観と推測ですが)

検察官も人間ですから良心を持っていますし優秀です。ドライバーの行動や主張を見ればある程度起訴すべきか不起訴にすべきか判断出来ると思います。

  • 最初からサイン拒否をして検察の出頭要請にも応じて、上申書を用意するなどして身の潔白を主張する人、しかも最近数年間違反をしていない人
  • よく違反をしていて青切符の反則金納付もしていない人、赤切符にサインはしてあるが出頭要請にもなかなか応じないし、ごね得を狙っているように見える人

どちらが悪質ですかね。後者ですね。そして、きちんと安全運転をしていてたまたま不当な取締りに出会ってしまった場合、毅然とした態度と行動を取ることでおよそ80%という不起訴の確率をもっと上げることになるでしょう。(そういえば私も上申書書いたなぁ。関係ないですが。)

ということで…

カンカンカーン!結論のお時間となりました。

結論

以下結論です。

  • 赤切符で否認・是認合わせた不起訴処分率は15%程度
  • 赤切符で否認した場合は不起訴処分率はおよそ80%まで上がる
  • 大人の事情で平成27年は否認した場合の不起訴処分率が74.5%まで下がる。これは赤切符の違反をした人がそもそも少ないため。公判請求に回せる枠がほぼ毎年同じだが、赤切符数という分母が少ないので、起訴数という分子が一定だと起訴率が上がる(=不起訴率が下がる)。
  • 逆に平成26年は大人の事情で赤切符否認事件の不起訴率が上がって84.55%になっている。そもそもの送検数が多く、赤切符の人の割合も他の年より5%多い。公判数を抑えるためには不起訴処分率を高める必要がある。
  • 最初から最後まで正当性を主張すればごね得を目指すドライバーとは検察官に思われない。真面目なドライバーが略式に応じなければその分不起訴処分を勝ち取る確率が上がる。
  • ただし青切符に比べて赤切符の違反は大きい。確実に不起訴処分になるわけではないので、正式裁判の覚悟が必要

あー、多分ですがね、もう1つ理由を思いつきました。平成26年の不起訴率が高い理由は、公判数(裁判数)が多すぎると裁判官からクレームが来るからです。

裁判官:そんなに裁けねぇよ、なんとかしろ!お前ら検察官だって処理しきれねぇだろう?
検察官:あ、たしかにそうだな。不起訴多く出しておくわ。
裁判官:よろしくな!
検察官:おう!

こんな事情はあり得ると思います。

そして検察官も人の心があります。悪質なケースについてはさすがに公判請求(正式裁判)で有罪を出しにいきます。

ということで、赤切符は重大な違反です。悪いと思ったら略式裁判で罰金刑に応じましょう。

しかし、悪くないケースでは否認して不起訴処分を目指せば不起訴になる確率は高いのです。

今回出した80%の率ですが、分母にドライバーが悪質なのにごねて否認事件になっているケースも含まれます。つまり、危険回避などやむを得ずして捕まった場合はもっと不起訴処分率が上がることになります。正当性を主張しましょう!

そのために必要なこと

  • サイン拒否含めて一貫したドライバーの正当性の主張
  • 警察・検察の発言を記録(取締り警官や検察官はウソを付くケースがあります。取締り警官はかなり高確率です。検察官も略式に応じさせようと誘導するケースが多く、その中に本当で無いこともあります。それらをICレコーダー等で音声記録出来たらいざという時の証拠になります。*参考「【交通違反で逮捕?裁判は金かかる?】警官や検察官のウソと実際」)
  • 場合によっては現場の写真などの記録を取る。
  • 検察に呼ばれたら無罪主張の上申書を提出してやる気を見せる
  • 略式裁判には応じず正式裁判を希望する旨はっきりと伝える
  • 日頃から安全運転を心がけ、そもそも違反で捕まることが無いようにしておく

青切符のケースもそうですが、悪いことをしたけど逃げ得になるものではないと思います。あくまで悪いことはしていない、正義は我にあり!そう思うならやる価値が有るということです。そして不起訴処分率を上げるためにいろいろ証拠武装する必要があります。

やる方ファイトです。応援します!

以上でおしまいです。今回の記事はいかがでしたか?長々と読んでいただいてありがとうございました。ではまた!



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コメント

  1. 匿名 より:

    青切符は仰るとおりですが
    赤切符の否認はやめた方がいいです。
    最近の傾向では赤切符の否認(酒・無免許)は罪証隠滅、逃走のおそれととらえられ
    逮捕されます。
    なので、赤切符の否認を勧めるのは
    やめた方がよらしいかと思います。

    • GT より:

      こんにちは、コメントありがとうございます^^

      記事の趣旨は、危険回避などで赤切符を切られたケースで不起訴処分率が高く、否認する価値があるだろう、というものです。
      それと飲酒運転や無免許運転は別のことです。
      ですから、本記事に沿った出来事で「逮捕されます。」とは言い切れませんし、私は否認を勧めることをやめた方が良いとも思いません。