前回の記事「【GTが筑波サーキット走行で・・・あぁToT】走行する時に愛車を壊さないようにする7つの運転の仕方(8)」で私のエンジンブロー経験を紹介しました。今回はその続きで、運転の仕方7つ目の紹介です。そしてこのシリーズが完結します。
7.ブレーキの利きが悪いと思ったら全開走行しない
サーキット走行でブレーキの利きが悪くなったら、可能性として大きいのはブレーキパッドが熱をもって耐用温度を超えてしまったからか、ブレーキフルードに気泡が入ってしまうベーパーロック現象でしょう。足回り交換などで作業ミスにより、もしくは部品が壊れて・・・などいろいろなケースが考えられますが、いずれにせよブレーキの利きが悪いのは危ないですね。
ブレーキパッドの耐熱性については、サーキットを走る方ならそこそこ温度域の高いものに交換していることでしょう。ノーマルブレーキパッドの人はサーキットを走る前に交換しておくべきです。
このように考えてみると、サーキット走行をしている間にブレーキの利きが悪くなるというのは、べーパーロック現象が一番多いように思います。特にチューニングを施して限界速度が上がればその分ブレーキに負担が行きます。ハードなブレーキをすればローターの温度が上がります。ブレーキパッドの耐熱温度を上げていくためにはレース用のブレーキパッドに交換すればよいです。
ベーパーロック現象を防ぐには
べーパーロック現象を防ぐにはブレーキフルードの沸点が高いスーパードット4に切り替えるのが良いです・・・とこんな流れですね。
で、私の場合は、結局ブレーキフルードの耐熱性で頭打ちとなりました。スーパードット4を入れてもエアーが入ってしまいます。もっと耐熱性の高いものはないかということで別のを探し、ビリオンというところのスーパーブレーキフルードを入れるようにしました。こっちは更に熱耐性が高いものです。ですが、いかんせんエアが入ってしまうのでした。
そのためサーキットでは1周全開走行をしたら次の1周はクーリング走行、これを交互に繰り返すようにしています。そうすると、割とエアーが入ることを防げるのです。ただ、やっぱり走行時間の後半はブレーキがスカスカになってくるときがあります。連続全開周回をしないので、いきなりスカスカにならないのでセーフというところでしょうか。ブレーキの利きが悪くなったら無茶はしません。そのため、ブレーキが利かなくなってコースアウトしたとか、クラッシュしたという経験が無いです。
実例紹介
さて、でも怖い話を聞いたことがありますので紹介しますね。これは改修前の富士スピードウェイのお話です。ある夏の走行会に参加した時でした。当然夏の走行ですからエンジンが熱でやられてしまうか、ブレーキが熱でダメになるか、心配な時期です。この時も走行前から、今日は無茶しないでクーリングラップ多めに入れておこうと思っていました。
そして走行前にブリーフィングでも、走行会主催者から暑いですから気をつけてください、と話しがありました。うんうん、気をつけるよ、と素直な私GTでした。その後続けて主催者が言ってました。
富士のストレート長いですからスピード乗りますね。ブレーキングで無茶しないで、少し手前でブレーキが利くか、チョンと軽くブレーキ踏んで確かめるようにしましょう。
そうだよな、ストレートエンドで一気に減速するからすごいブレーキに負担かかるからな、うんうん。でも大丈夫でしょう。
主催者が言うある年の出来事
つづけて主催者が言っていました。
実は数年前の夏なのですが、実際に今日みたいに暑い日にGT-Rがストレートを走っていたんですね。そしてストレートを最後まで加速して行ったのです。最後はコーナーの手前で減速するのが普通じゃないですかー。でもそのまま真っすぐ走り続けました。
ん?
そして減速しないでコースアウトした後も走りつづけました。そのまま壁に激突しました。ドライバーさんお亡くなりになりました。
ええぇぇーー!!??怖っっ!!
この話は効果ありましたね。どうやらブレーキが利かなくなったらしいということですが、おかげ様で(!?)ストレートエンド近くでは少し余裕を持ってブレーキングしていました。真夏の走行でタイム出すには条件悪いですし、この日は各コーナーを攻める経験を積む日にしました。本気でタイムを出しに行くのはもっと気温が下がって良い季節になってからです。
ということでこの時は無事に帰宅することが出来ました。よかったよかった。
ブレーキは車を止めるための命綱です。みなさんもブレーキの利きが悪くなったら無理をしないで下さいね。
いかがでしたか。長くなってしまいましたが、以上、サーキットで愛車を壊さないようにする運転の仕方7つでした。最後まで読んでいただいてありがとうございました。
おしまい